『ひ』
青白い朝
肌を走る電流
朝焼けが紅い
自転車を漕ぎ出す
通り過ぎてく 家々
擦れ違う 人々
鼓動が起き出してく
街が起きていく
時に押され
風に阻まれ
前へ 前へと進んでく
変わらない毎日の
変わらない 朝
薄暗い夜
奪われていく視力
遠くなる紅い空
追いかけて進む
静まっていく 家々
帰路へと着く 人々
疲れを癒したくて
還る場所へと行く
時も忘れ
風に流され
歌う 囁く様に
変わらない毎日の
つまらない 帰路
暗黒の夜
布団にくるまって
朝焼けを待ってる
眠りに就きながら
家々も 人々も
夢の世界へ旅立つ
私を置いて――――
私も眠る――――
時も止まり
風も眠りへ
真っ白な夜
とても静かな夜
私は独り
マッチを売る少女
吐く息の白さは
ともされた灯の様
吐く息の儚さは
少女の視た幻
あとがき
『ひ』は『日』や『灯』の意味を持ちます。